初めて治療を受けられる方へ

 鍼治療は痛くありません!
 治療に用いる鍼は髪の毛程度の細さ(0.2mm程度)で、施術者は患者さんが痛みを感じないよう、極力気を付けて施術していますので、治療中の恐怖感・緊張感・不安感は不要です。

 しかし2、3箇所の治療でどうにも我慢できないということことがありましたら治療は中止しますので、どうぞ気軽にお申し出ください。

治療効果と治療回数について

 鍼灸治療の効果は発症してから日が浅いほど早く現れ、一回の治療で激しい症状がピタッと軽減することもしばしばあります。しかし、慢性症状になりますと気長に続けなければなりません。治療は毎日続けた方が効果的ですが、症状によって一日おきや二日おき、又は一週間に一度など通院間隔を変えますので、なるべく施術者の指示通り受診してください。

反応 及び 副作用について

 治療後、一時的にだるさや疲労感など、いろいろな症状が出てくることがあります。これを漢方では「瞑眩(めんげん)現象」「好転反応」と言って、むしろ効果が現れている証拠とされており、治療の経過とともに必ず良い効果を期待できます。

 また、鍼灸治療には一部の薬に見られるような習慣性や副作用はございませんので、どうぞ安心して受診してください。 

養生について

 どんな治療法でも養生が必要です。再び病苦に悩まされないためにも、治療中は次の事項を守って下さい。

 ア、睡眠を十分にとること
 イ、治療直後の入浴は厳禁
 ウ、食事は腹八分目
 エ、アルコール類は禁止
 オ、刺激性食品・難消化性食品はできる限り摂らない
 カ、精神の疲労を極力避けること

 その他、必要に応じて注意申し上げますが、最も大切なのは自分自身が真剣に病気を治そうとする心構えです。

 また、鍼灸治療は病気ばかりでなく、体質を改善・強化し、病気にかかりにくくします。定期的な治療を受けることにより疾病を予防し、体質の改善や健康状態の向上を図り、健康管理の医術としてもその真価を発揮します。

鍼(はり)について

 鍼と呼ばれる専用の治療具を用い、身体の表面(主に経穴=ツボにあたる部位)や特定の筋肉・各部位などに対し治療を施し、症状の改善に効果をあげます。

 鍼を刺すことで「痛い、恐い」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、治療に用いる鍼は一般的には直径0.2mmと毛髪ほどの太さしかありませんし、習熟した技術により、瞬間的に皮膚を通過させてしまうので、ほとんど痛みはありません。

 また、ディスポーザブル鍼(使い捨ての鍼)の使用や、器具・手指の消毒をしっかりと行うなど、感染防止のために、衛生面にも十分な配慮を払っていますので、どうぞ安心して受診してください。

鍼治療の様子

灸(きゅう)について

 一般的には艾(もぐさ)を用い、身体の表面(主に経穴=ツボにあたる部位)に温熱刺激による治療を施すことで、症状の改善に効果をあげます。

 初めて灸治療を受ける方は、「灸は熱い、跡が残る」という不安を持たれるのではないかと思います。

 しかし、半米粒大(米粒の半分の大きさ)くらいの艾を用いますので、一見して目立つ大きな跡が残ることはありませんし、治療後しばらくたてばほとんどその跡も消えてしまいます。

 また、灸といってもさまざまな種類があり、艾と皮膚の間に薬効が期待される生姜などを挟む方法や輻射熱を利用した方法など、心地良い温熱刺激で跡が残る心配がまったくないものもあります。

直接灸の様子

あんま、マッサージ、指圧について

 押し、引き、撫で、さすり、揉み、叩くといった手技を用いて患者個々に適した刺激量を選択し、治療を行います。

あん摩

あん摩・指圧が経穴(ツボ)や経絡(ツボとツボを結ぶ線)を意識して施術するのに対し、マッサージはリンパや血液の流れ・筋の走行に従って施術します。

 

 

マッサージ

 

 

また、あん摩や指圧は体の中心から末梢に向かって遠心性の刺激を与えるのに対し、マッサージは身体の末梢から中心に向かって求心性の刺激を加えるのが原則です。

 

 

 

指圧

 

 「手で身体の状態を診ながら、悪い部分を見つけ治療する」という点では、あん摩・指圧・マッサージは同じですが、あん摩は中国で、マッサージはフランスで、指圧は日本で、それぞれ生まれ発達してきた手技療法です。

 

 

 このように、あん摩・指圧とマッサージとでは、理論や手技が全く異なるのですが、日本においてはひとつの国家資格として法制化されています。

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